
伊藤 甚宰(いとう じんさい) 伊藤建設株式会社 代表取締役
富山県魚津市の工務店「エリーヌホーム」代表。
子育て世代の家づくり応援団として、資金計画から省エネ・断熱まで、暮らしに寄り添った住まいづくりに取り組んでいます。
こんにちは。エリーヌホームの伊藤甚宰です。
梅雨が明ければ、いよいよ本格的な夏がやってきます。
ここ数年、富山の夏も年々暑さを増しているように感じており、お客様との会話でも「夏の暑さ」「冬の寒さ」のご相談が本当に増えました。今回は、一年を通して快適に暮らすための土台となる高気密高断熱の家について、社長の目線でじっくりお話ししてみたいと思います。


私がこの仕事を始めた頃と比べて、いちばん大きく変わったのは「夏の暑さ」だと感じています。
気象庁の予測でも、2026年の夏は太平洋高気圧の張り出しが平年より北側で強まり、北日本を中心に高温が顕著になるとみられているそうです。富山も例外ではなく、日中の暑さはもちろん、夜になっても気温が下がりにくい日が増えました。
魚津は立山連峰に囲まれた自然の豊かな土地です。
その一方で、夏は高温多湿、冬は雪と底冷えという、住まいにとってはなかなか手強い気候でもあります。だからこそ、外の暑さ寒さを室内にできるだけ持ち込まない家、つまり高気密高断熱の家の価値が、年々高まっているのだと私は考えています。
「エアコンをつければいいのでは」と思われるかもしれません。
けれども、家そのものの守りが弱いままだと、冷暖房の効きが悪く、光熱費だけがかさんでしまいます。
まずは家の器を整える。
これが、これからの富山の家づくりの出発点になると考えています。

言葉は少し難しく聞こえますが、考え方はとてもシンプルです。
「断熱」は、壁や天井、床、窓を通して外の熱が伝わるのを抑えること。
「気密」は、家のすき間を少なくして、空気が勝手に出入りしないようにすること。この二つがそろって初めて、家は魔法瓶のように、中の心地よい温度を保てるようになります。
とりわけ大切なのが「窓」です。
ある業界団体の資料によると、夏に室内へ入ってくる熱の多くは窓から侵入するとされています。
ですから、いくら壁を厚くしても、窓の性能が低ければ暑さも寒さも入り放題になってしまうのです。
断熱性の高いサッシやガラスを選ぶことは、快適な住まいへの近道といえます。
エリーヌホームでも、エコ住宅やZEH住宅といった省エネ性能を意識した家づくりに取り組んでいます。
断熱材の選び方、窓の性能、そしてすき間を減らす丁寧な施工。派手さはありませんが、こうした地道な積み重ねが、住み始めてから何十年もの快適さと安心につながっていくのだと考えています。

家づくりを検討されている方は、「断熱等級」という言葉を耳にされたことがあるかもしれません。
ここ数年で、この基準が大きく動きました。
2025年4月から、新築住宅は省エネ基準への適合が義務づけられ、断熱等性能等級4が最低ラインとなりました。
少し前まで等級4は「最高等級」でしたが、今は「これ以上が当たり前」という位置づけに変わったのです。
さらに、より高い性能を示す等級5・6・7が設けられ、等級5はおおむねZEH基準に相当するとされています。
そして2030年には、この等級5以上が義務化される見通しだといわれています。
つまり、国全体として住まいの省エネ性能を一段ずつ引き上げていく流れの中に、私たちの家づくりはあるということです。
私がお伝えしたいのは、「基準だから守る」ではなく、「暮らしが快適になるから性能を高める」という順番で考えていただきたい、ということです。
等級はあくまで目安。
大切なのは、その家でご家族がどれだけ心地よく、健やかに暮らせるかです。
数字の意味を一緒にかみ砕きながら、ちょうどよい性能のバランスを見つけていくのが、私たち工務店の役割だと思っています。

性能の高い家は、どうしても初期費用が気になるところです。
ぜひ知っておいていただきたいのが、国の補助制度です。
2026年度は「みらいエコ住宅2026事業」として、省エネ性能の高い新築を後押しする仕組みが用意されているとされています。
報道されている情報によると、GX志向型住宅は最大125万円、長期優良住宅は最大80万円、ZEH水準住宅は最大40万円といった補助額が示されているようです。
ただし、住宅の区分によって対象となる世帯や申請の期限が異なり、たとえばZEH水準住宅は期限が早めに設定されているといわれています。
金額や条件は建築地やその年の制度内容によって変わりますので、必ず最新の公式情報とあわせてご確認いただくのが安心です。
こうした制度は、内容が毎年のように見直されます。
だからこそ、「今のご計画にどの制度が合うのか」を、資金計画とセットで整理しておくことが大切です。
エリーヌホームでは、補助金の活用も含めて、無理のない資金計画を一緒に考えています。
制度に振り回されるのではなく、上手に味方につけていきましょう。

ここまで性能のお話を続けてきましたが、私がいちばんお伝えしたいのは、その先にある「暮らし」です。
高気密高断熱の家では、冷暖房が効きやすくなり、少ないエネルギーで室温を保てるようになります。
結果として、光熱費を抑えやすくなるのは大きな魅力です。
そしてもう一つ、私が大切にしているのが「健康」です。
断熱性が高い家は、リビングと廊下、脱衣所といった部屋ごとの温度差が小さくなります。
冬場、暖かい部屋から寒い浴室へ移動したときに起こる、体への急な負担、いわゆるヒートショックのリスクを下げることにもつながるといわれています。
ご高齢のご家族と暮らす方にとって、これは見過ごせないポイントです。
夏は、二階の寝室がむっと暑くて眠れない、という声もよく聞きます。
断熱と気密がしっかりしていれば、家全体の温度が穏やかになり、朝までぐっすり眠りやすくなります。
家は、ただ雨風をしのぐ場所ではありません。ご家族の毎日の元気を、静かに支えてくれる存在なのだと、私は思っています。

「高断熱の家がよさそうなのは分かった。でも、何から始めれば?」というのが、正直なところだと思います。
私からのおすすめは、いきなり性能の数字を追いかけるのではなく、まず「どんな暮らしがしたいか」を家族で話してみることです。
夏をどう過ごしたいか、冬にどんな家にいたいか。
その希望が、必要な性能を自然と教えてくれます。
そのうえで、断熱や気密にどこまでこだわるかを、資金計画や補助金の活用とあわせて考えていきます。
実際に高気密高断熱の家を体感していただくのがいちばん分かりやすいので、モデルハウスや完成した住まいの見学もぜひご活用ください。
カタログの数字では伝わらない、あの「一歩入った瞬間の心地よさ」を、肌で感じていただけると思います。
家づくりは、一生に何度もあることではありません。
だからこそ、焦らず、納得しながら進めていただきたい。私たちは、子育て世代の皆さまの家づくり応援団として、そばで伴走してまいります。
2026年の夏も厳しい暑さが予想され、これからの富山・魚津の家づくりでは、夏の暑さと冬の寒さの両方に効く高気密高断熱がますます大切になっていきます。
2025年からの省エネ基準の義務化、断熱等級の考え方の変化、そして「みらいエコ住宅2026事業」のような補助制度。
少し複雑に感じられるかもしれませんが、一つひとつは「快適で健康な暮らし」につながるものばかりです。
難しい部分は私たちが丁寧にご説明しますので、どうぞ安心してご相談ください。

家づくりのご相談・モデルハウス見学会・資料請求を承っています。

伊藤 甚宰(いとう じんさい) 伊藤建設株式会社 代表取締役
富山県魚津市の工務店「エリーヌホーム」代表。
子育て世代の家づくり応援団として、資金計画から省エネ・断熱まで、暮らしに寄り添った住まいづくりに取り組んでいます。