建築家 内山 里江先生とタッグを組んだ『モデルハウス』
モデルハウスの立地場所が、一般的に日当たりが良くポジティブなイメージがある南西方向にアパートの玄関や人通りのある幹線道路、という環境条件の中、今回は『南側にLDK』というセオリーを破り、1階南西方向には窓を1箇所しか設けず、一方で2階の南西方向は、遮るものがなく視線が抜けたので、家族が集まるLDKを2階に配置し、開けた空間を演出しました。
また、分譲地の行き止まりに位置し、帰ってくる方向が一方向で、視線がまっすぐお家を捉えるので、帰ってきたときに『自分の家って素敵だな』と、毎日期待と安心感を得られる外観デザインが特徴です。
玄関を開けると、目の前にはシンプルな壁が一面に広がります。
アプローチからの視線をまっすぐ長くとることで、玄関とのつながりや入った時の空間の広がりを感じられる工夫がされています。
階段下空間を収納として取り込みながら、玄関ホールとつながっているようなダイナミックさや、アウターを掛けたり、ベンチを置いたり、出たり入ったりするだけでなくゆとりを感じる空間に。
玄関を中心に階段を上がれば「パブリックな空間」、右側は「プライベートな空間」と自然にセパレートされた動線になりました。
お子様部屋にも寝室にもなる可変性のあるお部屋
クローゼットにはあえて扉を付けずお部屋を広く感じられるようにオープンタイプに。
季節に合わせたお気に入りの洋服をかけたり、吊り下げ式の収納ケースを下げたり、お子様も自分で片付けがしやすい収納計画です。
家族が帰ってきたら、ファミリークローゼットで着替えて、汚れたものをランドリーへ。
ランドリーではアイロンをかけたり、干して乾いたリネン類や洗剤などもしまえるように。
洗濯が終わればそのままファミリークローゼットへしまえる優れた洗濯家事動線。
家族のシーズンオフのものや、毎日の身支度に必要なものをしまえる大空間です。
ロケーションを考え、広がりを感じられる2Fにリビングを配置
階段を上がると、外に遮るものがない、視線が伸びる方向に大きなスクエアの窓が配置し、空の移ろいを感じられる癒しの空間になりました。
また、ベンチのように座ってリラックスできるヌック空間がアクセントになり、L字型につながりながら、リビングのソファとして使ったり、本棚を設けてそこで本を読んだりできます。
何をするでもない、家族それぞれが好きなことができる多目的な空間と、景観がよくポジティブになれる、なんとなく心地よい空間になりました。
油撥ねや臭気のことを考え、コンロを壁側にし、開放的な調理がしやすいキッチン計画です。
冷蔵庫やパントリーもリビングから見えにくいところに配置して、生活感やキッチンの雑多な感じをなくすレイアウトにしました。
お子様が小さいうちは、家族みんなで寝る場所、成長につれてお子様が遊べる場所、とフリースペースとして活用。
クローゼットも設けているので、家族構成、ライフスタイルの変化に応じて可変性を持ったお部屋として、様々な使い方ができるスペースに。
【プロフィール】
内山 里江 先生
一級建築士
株式会社コモドデザイン代表
高知県生まれ、12歳まで愛媛県で過ごす。
子供の頃、建築家・宮脇壇氏の設計で建てた父の友人の家に感動し、いつか自分も建築家になることを夢見る。
山口県の工務店に勤務して実地で経験を積み、一級建築士になる。
建築設計歴27年、のべ2000棟以上を設計・デザイン。「家を単なる休む場所ではなく、遊べる場所に」をモットーに、付加価値のを高める設計を提案し続けている。