
伊藤 甚宰(いとう じんさい)
伊藤建設株式会社 代表取締役
富山県魚津市の工務店「エリーヌホーム」代表。
子育て世代の家づくり応援団として、資金計画から省エネ・断熱まで、暮らしに寄り添った住まいづくりに取り組んでいます。




魚津をはじめ富山で家を建てるとき、多くの方が気にされるのが土地の条件です。
「間口が狭い」「形がいびつ」「北側にしか道路がない」。
そんな土地を前に、あきらめかけていたご家族にも何度もお会いしてきました。
けれど私は、条件のある土地ほど設計の力が生きると考えています。
狭さや変形は、読み解き方しだいで個性に変わります。
光をどう取り込むか、視線をどう抜くか、限られた面積をどう立体的に使うか。
設計の工夫でカバーできる余地は思っている以上に大きいのです。
そして富山ならではの条件も忘れてはいけません。
冬は雪が積もり、屋根から落ちる雪の向きまで考えて配置を決める必要があります。
梅雨から夏にかけては高温多湿になり、風の抜けをつくることが快適さに直結します。
立山連峰といった富山らしい景色を、どの窓から切り取るか。
こうした土地と気候の読み込みは、その地で暮らし、その地で建ててきた作り手だからこそできる仕事だと思っています。
なお省エネ性能や断熱の考え方については、エリーヌホームのブログ一覧でも触れていますので、あわせてご覧いただけると嬉しいです。

ここは正直にお話ししておきたいところです。
自由度が高いぶん、希望を詰め込みすぎて当初の予算を超えてしまう、というのは実際に起こりうることです。
だからこそ私たちは、設計を始める前に予算をしっかり共有させていただきます。
大切なのは、優先順位を家族で言葉にしておくことです。
ここは譲れない、ここは工夫で抑えてもいい。
その線引きが見えていれば、限られた費用の中でも満足度の高い家はつくれます。
むしろ自由設計は、本当に必要な部分に予算を集められるのが強みです。
使わない設備に費用をかけるより、毎日過ごすリビングの心地よさや、家事の負担を減らす動線にお金をかける。
そうした選択を一緒に考えられるのが、白紙から設計する家づくりの良さです。
資金計画は家づくりの土台ですから、金利や補助金の動きも見ながら、無理のない計画を一緒に立てていきましょう。

最後に、なぜ地元の作り手なのか、という話をさせてください。
家は建てて終わりではありません。
何十年と住み続け、季節ごとに表情を変え、時にはお手入れも必要になります。
近くにいて、いつでも顔を出せる作り手であることは、暮らしはじめてからの安心に直接つながります。
それに私たちは、魚津の冬の厳しさも、夏の蒸し暑さも、この土地で実際に暮らしながら知っています。
教科書の数字ではなく、肌で分かっている。
だからこそ、この地に本当に合う住まいを、自信を持ってご提案できるのだと思っています。
建築家とつくる家は、遠い誰かの理想を持ち込むことではありません。
ここで暮らすご家族の日々に、まっすぐ寄り添う家づくりです。
建築家とつくる家は、間取りを選ぶのではなく、暮らしから住まいを立ち上げていく家づくりです。
変形地や雪国という条件も、設計の力で魅力に変えられます。
予算は先に共有すればコントロールでき、必要なところに費用を集められます。
そして何より、魚津の土地と気候を知る地元の作り手だからこそできる提案があります。
家づくりに迷いはつきものです。
その迷いを一つずつほどいていくお手伝いを、私たちにさせていただけたら嬉しく思います。

伊藤 甚宰(いとう じんさい)
伊藤建設株式会社 代表取締役
富山県魚津市の工務店「エリーヌホーム」代表。
子育て世代の家づくり応援団として、資金計画から省エネ・断熱まで、暮らしに寄り添った住まいづくりに取り組んでいます。